同時廃止と管財事件|令和法律事務所
- koiwalaw
- 4月12日
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この記事では、令和法律事務所の弁護士が、東京地方裁判所に個人の自己破産申立てを行う場合の「管財手続と同時廃止」や「自己破産の管財事件と同時廃止の振分け」についてご説明します。自己破産の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
自己破産の同時廃止と管財事件
破産手続の進め方には管財事件と同時廃止があります。管財事件となる場合には、東京地方裁判所では最低20万円の予納金の支払が必要となりますので、管財事件と同時廃止の振分けは非常に重要な手続です。
自己破産の管財事件とは?
自己破産事件の管財事件とは、破産手続において裁判所が破産管財人(弁護士)を選任・監督して破産手続を進める事件です。破産管財人は、債権者の利益を代表して、破産者の財産状況の調査、破産者の財産の管理・処分、債権者に対する配当などに関する業務を行います。破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理および処分をする権利は、破産管財人に専属します。
自己破産事件が管財事件となった場合、破産者は、破産管財人に対して次のような義務を負います。
破産に関する必要な説明を行わなければなりません。
破産者の有する重要な財産を開示しなければなりません。
破産管財人の免責の調査に協力しなければなりません。
破産手続の目的は、破産者と債権者との間の権利関係および利害関係者の利害を適切に調整し、破産者の財産などの適正かつ公平な清算を図ることです。したがいまして、破産手続では管財事件が原則とされています。
東京地方裁判所では、自己破産事件が管財事件となった場合、破産者は、弁護士費用や申立手数料を用意する他に、最低20万円の予納金を納める必要があります。この最低20万円の予納金については、法テラスは、原則として立替えを行っていませんので注意が必要です。
自己破産の同時廃止とは?
自己破産事件の同時廃止とは、自己破産手続の開始決定と同時に破産手続の廃止決定を行う手続です。同時廃止とされることで、破産手続は直ちに終了しますが、免責手続が別途行われます。破産者の財産が極めて少なかったり、ほとんど無かったりする場合には同時廃止とされます。そのような場合には、破産者の財産を処分しても債権者に配当できる可能性が極めて低いと判断されるからです。
同時廃止の場合、管財手続で必要とされる最低20万円の予納金は不要となります。したがいまして、破産者にとっては、自己破産の管財手続と同時廃止の振分けが非常に重要になります。
自己破産手続は、破産者の財産を換価して債権者に分配するなどして破産者の財産を清算する手続です。破産者の債務の支払義務を免除する免責手続と破産手続は別個の手続ですから、同時廃止とされても破産手続とは別に免責手続は行われます。破産手続が同時廃止とされたからといってそれで手続がすべて終了するわけではありませんのでご注意ください。
裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは同時廃止とします。具体的には、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならないとされています。
自己破産事件が同時廃止となるのは、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認められるときですので、自己破産の管財事件と同時廃止では、管財事件が原則なのに対して、同時廃止は例外的に認められるにすぎません。
自己破産の管財事件と同時廃止の振分け
東京地方裁判所に個人の自己破産の申立てをする場合には、即日面接の際に、破産手続を管財事件と同時廃止のどちらで進めるかが決まります。破産手続が管財事件となる場合には、最低20万円の予納金の支払が必要となりますので、管財事件と同時廃止の振分けは非常に重要な手続きです。
東京地方裁判所において個人の自己破産の申立てをする場合には、自己破産の申立て後に、破産者の申立代理人の弁護士が裁判官と面接を行います。この面接は、即日面接といわれています。
即日面接では、自己破産事件を管財事件とするか同時廃止事件とするかの自己破産の管財事件と同時廃止の振り分けなどについて決定されます。
自己破産事件の管財事件とは、破産手続において、裁判所が破産管財人を選任・監督して破産手続を進める事件です。破産管財人は、債権者の利益を代表して、破産者の財産状況の調査、破産者の財産の管理・処分、債権者に対する配当などに関する業務を行います。
自己破産事件の同時廃止とは、自己破産手続の開始決定と同時に破産手続の廃止決定をする手続です。同時廃止とされることで、破産手続は直ちに終了します。破産者の財産が極めて少ないような場合に同時廃止とされます。そのような場合には、破産者の財産を処分しても債権者に配当できる可能性が極めて低いと判断されるからです。
破産者が33万円以上の現金や20万円以上の換価対象資産を有しない場合には、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認められ、破産手続が同時廃止となる可能性があります。
換価対象資産は、破産者の有する資産ごとの合計額が20万円以上になるかどうかで判断されます。たとえば、預貯金が15万円あり、保険の解約返戻金が10万円ある場合を考えてみます。
この場合、合計すると20万円以上の破産者の有する換価対象資産がありますが、資産ごとにみると20万円を超えていません。したがいまして、この場合は、自己破産の管財事件と同時廃止のうち、同時廃止になる可能性があります。
33万円以上の現金を有している場合や20万円以上の換価対象資産がある場合であることが明らかでないときには、破産管財人による破産者の資産調査が必要となり、破産手続が管財事件となります。
また、破産者が現在または過去に個人事業主であった場合にも、財産状況の把握が困難であることが多いことから破産管財人による破産者の資産調査が必要となり、、原則として管財事件となります。
さらに、免責不許可事由の存在が明らかでその程度も軽微といえない場合などにも、破産管財人の調査が必要となり、管財事件となる可能性があります。
破産手続が管財事件となると最低20万円の予納金を裁判所に納付する必要がありますので、破産者にとっては管財事件となるか同時廃止となるかはとても重要です。
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