自己破産の免責手続|令和法律事務所
- koiwalaw
- 4月8日
- 読了時間: 7分
この記事では、令和法律事務所の弁護士が、自己破産の免責手続や免責不許可事由についてご説明します。
自己破産の免責手続
自己破産の流れの詳細については、こちらの記事をぜひご覧ください。
自己破産は、債務が支払不能の状況になったときに裁判所に債務を免除してもらう法的手続です。
個人の方が自己破産の申立てをする最終的な目的は、破産者の債務を免除してもらうことです。
免責手続で破産者の債務が免除されることを「免責」といいます。
免責手続は、個人の破産手続の最終段階であり、債務の免除を得るための重要な手続です。
個人の破産者は、自己破産の申立ての際には、債権者に債務の弁済をすることができない支払不能の状態にあります。
しかし、裁判所に対して自己破産の申立てをすると、支払不能の状態にある破産者の財産を処分するなどして債権者に対して適正かつ公平に清算することとなります。
そして、最終的には、破産者の残債務が免責されることで、借金に悩んでいた破産者は、経済生活の再生の機会を与えられます。
したがいまして、自己破産の申立てをして最終的に免責許可の決定を受けることは、破産者にとって非常に重要です。
しかし、免責許可の決定は、債権者などの利害関係者に与える影響も大きく、また、破産者の中には、免責許可の決定を受けるのにふさわしくないような者もいます。
そこで、破産法は免責不許可事由を定めています。免責不許可事由については、後で詳しく説明します。
自己破産の裁量免責
自己破産の免責不許可事由に該当する場合であっても、裁判所は、一定の場合には、免責許可の決定をすることができます。
その一定の場合とは、裁判所が破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認める場合です。
したがいまして、上記の免責不許可事由に該当する場合であっても、自己破産の申立てを諦める必要はまったくありません。
免責不許可事由に該当する場合であっても、免責許可の決定がなされる可能性もありますので、詳細は弁護士にご相談ください。
自己破産の免責不許可事由
上記のとおり、個人の方が自己破産の申立てをする最終的な目的は、破産者の債務を帳消しにして借金問題を解決することです。
自己破産の申立てをして最終的に免責許可の決定を受けることは、破産者にとって非常に重要です。
しかし、免責許可の決定は、債権者などの利害関係者に与える影響も大きく、また、破産者の中には、免責許可の決定を受けるのにふさわしくないような者もいます。
そこで、破産法は免責不許可事由を定めています。
具体的には、裁判所は、破産者について、次のいずれにも該当しない場合に、免責許可の決定をするとされています。
債権者を害する目的で、財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の財産の価値を不当に減少させる行為をしたこと
破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で、債務を負担し、または信用取引による商品の買入れ・不利益処分をしたこと
特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的または他の債権者を害する目的で、非義務的偏頗行為をしたこと
浪費または賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したこと
破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、詐術による信用取引をしたこと
業務および財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、または変造したこと
虚偽の債権者名簿を提出したこと
破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、または虚偽の説明をしたこと
不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理または保全管理人代理の職務を妨害したこと
免責許可の決定が確定したことなどがある場合において、当該免責許可の決定の確定の日などから七年以内に免責許可の申立てがあったこと
破産者の説明義務、重要財産開示義務など破産法に定める義務に違反したこと
①債権者を害する目的で、財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の財産の価値を不当に減少させる行為をしたこと
故意に破産債権者を害する行為をする破産者に、免責を許可する必要はないからです。
②破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で、債務を負担し、または信用取引による商品の買入れ・不利益処分をしたこと
破産手続の開始を遅延させる行為は、破産債権者の利益を害するため免責不許可事由とされています。
③特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的または他の債権者を害する目的で、非義務的偏頗行為をしたこと
これらの不当な偏頗行為は、破産債権者の利益を害しますので、免責不許可事由とされています。
④浪費または賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したこと
これらの行為によって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担した場合には、破産債権者を害しますので免責不許可事由とされています。
⑤破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、詐術による信用取引をしたこと
これらの詐術による信用取引も破産債権者の利益を害しますので、免責不許可事由とされました。
⑥業務および財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、または変造したこと
破産者の財産の把握・管理を困難にしますので、破産債権者を害する行為で免責不許可事由とされています。
⑦虚偽の債権者名簿を提出したこと
虚偽の債権者名簿を裁判所に提出することは、破産債権者の利益を害しますので免責不許可事由とされています。
⑧破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、または虚偽の説明をしたこと
不誠実な破産者に免責を許可する必要はないため、免責不許可事由とされています。
⑨不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理または保全管理人代理の職務を妨害したこと
破産手続を妨害する破産者に免責を許可する必要はないため、免責不許可事由とされました。
⑩免責許可の決定が確定したことなどがある場合において、当該免責許可の決定の確定の日などから七年以内に免責許可の申立てがあったこと
同一の破産者に繰り返し免責を認めることは、破産債権者の利益を害し、破産者自身のためにもならないため、免責不許可事由とされています。
⑪破産者の説明義務、重要財産開示義務など破産法に定める義務に違反したこと
破産手続の円滑な進行を妨げ、破産債権者の利益を害するため免責不許可事由とされています。
破産者がこれらのいずれの事由にも該当しない場合に、裁判所は、免責許可の決定をします。
もっとも、上記のとおり、これらの事由に該当する場合であっても、裁判所は、一定の場合には免責許可の決定をすることができます(「裁量免責」といいます。)。
その一定の場合とは、裁判所が破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認める場合です。
したがいまして、上記の免責不許可事由に該当する場合であっても、自己破産の申立てを諦める必要はまったくありません。
免責不許可事由に該当する場合であっても、免責許可の決定がなされる可能性もありますので、詳細は弁護士にご相談ください。
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